3つの体質的類型について

あるお母さんが「知り合いの同じ齢の子どもは、2~3キロ平気で歩くのに、うちの子はすぐ抱っこと言って歩きたがらない。」という話をされました。その子どもさんは、華奢な身体つきで、熱心に紐通しをしていたので、「歩いたり走ったりが大好きなお子さんと余り好きでないお子さんがいるんですよ。」と言うと、驚いた顔をされました。そこで、『三つ子の魂百まで』と言われる性格の元となる「体質」についてお話します。

 お母さんのお腹の中で、精子と卵子が受精すると、急速に細胞分裂が始まります。2週間続き一定の量になると、3つの層に形を変えます。外胚葉・中胚葉・内胚葉です。
「外胚葉」からは皮膚・神経系統・耳・目(皮膚の内側にあるもの)
「中胚葉」からは骨格・筋肉・血(皮膚の内側にあるもの)
「内胚葉」からは心臓・腎臓・消化器官・腸(内臓)が創られます。
 ところが、3つの層を形成している細胞の数は全く同じにはならないのです。つまり、一人一人が不均衡なのです。それが現実の私達です。そこで、『3つの体質的類型』ができます。

★「外胚葉優勢型」――特徴は、細くて背の高い赤ん坊。体は強くない方。小さい声で泣く。胸囲が小さい、食が細い。泣いているときには、特に注意し、要求を理解してやることが大切。大人になると…問題に直面すると、内にこもって考えようとする。独りが好きで、何かを研究する人などになるかも。

★「中胚葉優勢型」――特徴は、大きな強い声で継続的に泣く。強い筋肉の持ち主。あまり睡眠を必要としない。とにかく動くのが大好きな子ども。大人になると…問題に直面すると、筋肉を使って何らかの行動を起こす。スポーツマン。頑張るとスポーツ大会やオリンピックなどに行けるかも。

★「内胚葉優勢型」――特徴は、ぽっちゃりした赤ちゃん。食欲旺盛で、消化機能もよい。社交的、チャーミングで好かれやすい。体を動かすことを勧める。低カロリーで量の多い食べ物を与える。大人になると…問題に直面すると、まず、周囲の人と話すか食べる。シェフなど、料理を作る専門家などになるかも。

 話を聞かれて、「私も、独りで色々するのが好きな方だから、心当たりがあります。」と、納得されていました。「歩かせようとするのではなく、お花がきれいねとか、あそこに行ったら○○があるよ、などと言って、いつの間にか歩いていたというふうにしたらどうですか。」と助言したのでした。又、例えば、「内胚葉優勢型」の食べるのが好きなお母さんが、「外胚葉優勢型」の子どもを持つと、うちの子はちっとも食べない、と心配ばかりすることになったりします、という話もしました。

 一番大変なのは、独りで本を読んだりするのが好きな「外胚葉優勢型」のお母さんが、動き回るのが大好きな「中胚葉優勢型」の子どもさんをもったときですね。しょっちゅう動き回る子どもを見て、どうしてうちの子はこんなに落ち着きがないのかしらと悩んでしまいます。おまけに睡眠時間が短くて済む体質なので、お母さんははなはだ疲れ切って溜息ばかりの日々になってしまいます。いえいえ、生まれつき優れた体力を持っているのだから、何時かはそれを生かした職業に就いてくれるだろうと喜んで付き合いましょう。

 いずれにせよ、我が子の体質を知って育てることが、育児の悩みを減らし楽しい子育てにつながることだと思います。参考にしてみてください。