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1~3歳の時期に大切にすべきことNo.2-精神(心)について

1~3歳の時期に大切にすべきこと

No.2-「精神(心)」について

 今度は、目に見えにくい精神(心)について考えてみたいと思います。
 
 最近、私のクラスでは、誰かが言い出した「ママ、いいー。」が流行り、朝のお母さんとの別れ際や、何かの理由で先生に叱られた時などに「ママ、いー。」や「ママがいいー」と発している姿がよく見られます。

 子供の環境は「子宮」→「家庭」→「町」→「国」→「地球」→「宇宙」へと広がっていきます。1~2歳児の環境は、まだまだ「家庭」なのです。家庭にいてもいいはずなのに、何らかの保育に欠ける理由があり、保育園は保護者の協力の下に家庭養育の補完(保育所保育指針)を行っているのです。お母さんがいいに決まっていると思いながら、慰める方法を考えたり、叱られた理由を話すのです。

 他にも、「ママ、いいー」と言わせる理由があります。それは、『優先関係』と呼ばれるものです。それは、妊娠・授乳の時期に唯一の人と結べる関係のことです。これは、生涯続きます。その母と子は、その子が大きくなっても母であり、父と息子といった関係も一生続きます。当たり前のことですが、母と子はどんなことがあっても、どこまで行っても母と子であり、切っても切れない糸でしっかりと結ばれているのです。

 よく、『三つ児の魂、百まで』と言われます。私も、2歳半~3歳までに人格の基礎が形成されると学びました。では、人格はどのようにして形成されるのでしょう?もちろん、はっきりと目に見えるものではなく、説明できるようなものではないのでしょうが、幾つかの要素はあるようです。

 初期に左右するのは、「3つの体質的類型」といわれるものです。お母さんのお腹の中で、精子と卵子が受精すると、急速に細胞分裂が始まります。2週間続き一定の量になると、3つの層に形を変えます。外胚葉と中胚葉と内胚葉です。「外胚葉」からは皮膚・神経系統・耳・目、「中胚葉」からは骨格・筋肉・血、「内胚葉」からは心臓・腎臓・消化器官・腸が創られます。ところが、3つの層を形成している細胞の数は全く同じにはならないのです。そこで、3つの体質的類型ができます。

 「外胚葉優勢型」の子供は、華奢な体格で、食が細く、自己主張も弱く、一人遊びをよくします。「中胚葉優勢型」の子供は、元気で、動くのが大好きです。泣いても気づかれないと大きな声で泣き続けます。また、睡眠時間をあまり必要としません。「内胚葉優勢型」の子供は、ぽっちゃりとした赤ちゃんで、食欲旺盛。社交的ですが、運動は苦手です。

 私も、三人の子供を育て、成人させましたが、この体質が頑として根っこにあり、得意・不得意を左右しているように思います。もちろん、成長の過程で、自分にとって不得意なものは頑張って努力して獲得していきますが。

 そして受精より6週目になった時に、生殖細胞が発達し始め、男女の性別が確定していきます。生後18か月の段階で非常に敏感になるといわれます。例えば、自分が女性であることを意識し、自分の役割を知るなど。もちろん、完全な意味で男・女になるのは思春期ですが、社会的性別の確定は、延々と長い時間をかけて確定されます。つまり、子供達はどちらかの性に属しているかを学習していかなければなりません。大切なことは、男の子であれ女の子であれ、優劣なく等しく扱うということです。

 誕生してからの2カ月間の共生期はとても重要です。すべての要求が自動的に与えられた胎内の環境から、そうではなく手動的になっていく橋渡しの期間す。母親に密着され快適に過ごすことができれば、この世界は心地良い、信頼できると感じられ、精神の「一本目の足」といわれのものが形成されます。

 赤ん坊がだんだん動けるようになり、彼なりに色々なことを試みるようになります。誤った親心は最大の敵です。その時期はどんな些細なことでも、重要な出来事なのです。例えば、ずり這いの赤ん坊が、5㎝先のガラガラを取ろうとして手を伸ばしていたら、直ぐに手伝ってやらず、見守り励ますことが大切です。9か月までに、自分にはやれるという気持ちが積み重なっていくと、精神の「二本目の足」といわれるものが形成されます。自分自身への信頼(自我)の気持ちす。立って歩くには身体の二本の足が必要であるのと同じように、生きていくには精神の二本の足が必要です。どちらが欠けても遠くへ行くことが困難になります。(もし、その時期に精神の二本の足が形成されなかったとしたら、その後多くの時間と努力が必要になるでしょう。)

 また、子供に対する大人の姿勢は重要です。子供は、自分に対する思いを大人が贈るメッセージに対して心を形成していきます。大人が子供に抱くイメージや感情は、言葉にして伝えなくても、子供はちゃんと感知しているのです。だから、子供はとても素晴らしい、あなたはいい子だ、というメッセージを送るようにしなければなりません。

 大人の態度には、二種類しかありません。「受容」か「拒絶」です。胎内に宿った瞬間から、妊娠を喜び、あなたは重要で価値があるのだしいうことを送り続けないといけません。また、どんな環境であろうと幸せに生きられるのだというメッセージを与えないといけません。たとえ間違いをしても、支え続けなければなりません。

 「拒絶」には、3つあります。①あからさまな拒絶:養育を放棄。着るものや食べ物など、人間として必要なものが与えられない。虐待です。②完璧主義:子供がいくらやっても十分ではない、改善の余地があると考えます。つまり、自分に対して肯定的(YES)なイメージを持つことができなくなります。その子供をそのままの姿で受け入れていないということでは拒絶と同じです。③過保護:子供に多大な関心を持ちます。そして、自由にしておくと危ないという理由で、何もさせてくれません。つまり、私は一人では何もできないのだというメッセージを持つことになります。一人で生きていく上での問題に立ち向かえなくなります。

 最後に、精神科の医師モンタナ―ロ先生のお言葉を紹介します。「親になり教師になるということは、大切な仕事です。それ以上の見返りがあります。子供を教育するということは、自分を教育するということ。また、人類に大きな貢献をすることである。」

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