「絵本」について
このページでは、こどもの絵本について考えてみましょう。
子どもにとって絵本とは何か?]
絵本を読んでもらうことは、楽しみであり、面白いものである。
<楽しい→うまくなりたい→繰り返し練習する→結果が生まれる>
この、繰り返し練習することが人間にとって一番大切なことである。絵本を繰り返し読んでもらうことにより、言葉の数が増え、それが物事を考え出すテコになる。
子どもを絵本嫌いにする三つ
- 文字を教える道具として使わない
- 知識を与える道具として使わない
- しつけの道具として与えない
また、子どもが自分で読むぽちぽち読みは、果してその物語を理解できているかというと、文字を記号にしているだけである。
その時間は一緒になって楽しむことが大切である。物語はどうなっているかを考える。物語には、起承転結があるから
- 初めから終わりまで読むことが大切
- 大人が読んであげることが大切である。
読み終わった後、子どもが必ず言うことは「もっと読んで!」 子どもは正直である。それは、間違いなく面白かったことを表わす。わざわざ幸福な時間を切ったり、一週間延ばすのはもったいない。
例えば、5~10分毎日読み聞かせをやっている家庭は、5~10分を一緒に親子が過ごしている。必ずどこかが触れ合っている。がみがみ言ったりイライラしていない。こころ静かである。つまり、抱きしめたり、たくさんの言葉かけをしていることになる。1日1回、毎日、6年間 →それは、幸せがたまることである。だから、「今」を大切にしよう。
良い絵本について
- 年齢にあわせる
- ジャンルにあわせる
ことが大切である。
例えば、赤ちゃん絵本(0・1・2歳向き)『でてこい、でてこい』があるが、赤ん坊は、医学の進歩により、お腹の中にいる時から母親の声を聴きなれている。物の絵本であるが、そのものずばりを表現してはいない。グーミングトークといって、生まれた赤ちゃんは必ずしている擬声語・擬態語、例えば「ワンワン」「マンママンマ」など、言葉の響きやリズムを自然に伝えているもの。また、それは言葉の楽しみを伝えている。
2歳向き、物の絵本『くだもの』は、初めてその子どもが絵本に出会うもので、質感・実感がともなったもの、つまり本物であるべきだ。(物語に出るライオンはかわいくてもよい、フィクションだから) 子どもを馬鹿にしてはいけない。子どもというのは、目で絵本の絵を食べてしまうものである。食べたくなるようなスイカ・…など、思いを持って本を作るべきだ。
3歳を過ぎると、抽象的な絵本が読めるようになる。ここからが、本当は楽しく、多様な世界 (昔話・詩・ナンセンス・ファンタジー・現実・科学) があり、言葉をさらにたくさん覚えていく。
赤ちゃんが生まれて数年の間は、母親や先生が国語の先生である。初めから終わりまで読んであげてください。初めて会った人に愛される故に、他人を愛することができるようになる。絵本は、遊びにも展開し、幼児教育に最適である。
とにかく、毎日読んであげてください。早ければ早いほどよい。一緒に楽しむことが大切。そのうちに、3年生にもなれば、「うるさい。」と言われるようになるのだから。
(関口 徹 氏(福音館絵本研究室所属)の講演をまとめました。)
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