トイレの習慣 排泄について

このページでは、トイレの習慣(排泄習慣)について考えたいと思います。

排泄の習慣をつけるのには3つの側面があります。

1.身体的側面 について

括約筋(尿などを排出させる筋肉)をコントロールできるためには、子どもの準備ができてからやることが大切です。

人間は未熟なまま生まれてきます。今から学習する脳が備わっているのですが、まだ獲得できないものがたくさんあり、すぐ歩くことはできません。ミエリン化(脳からの信号がうまく身体全体に伝わるようになること)が必要です。

・ミエリン化が完了するまで  一年
・上半身のミエリン化     8か月(這い這い)

 排泄をコントロールする括約筋までミエリン化が進まないと排泄のコントロールはできません。

 また、大きくなると共に膀胱も大きくなり、長くオシッコが我慢できるようになります。2~3時間我慢できるようになったら準備ができたことになります。

2. 心理的側面 について

子どもがもよおす感覚と、もらしたくない感覚を学ばないといけません。

今まで数ヶ月間無意識にコントロールをしていました、今は準備ができています。心理的には、正しい場所で、コントロールが必要になります。これを子どもが尿を出すことと同時に意識する必要があります。

※ 紙オムツ――相当ぬれていない限り濡れている感覚が無い。出ている感覚はあるが、その結果の濡れている感覚を知らずに過ごしてしまう。つまり、身体感覚と起こったことが分断される。赤ん坊は、起こったことが感じられない。この「無感覚」は全ての皮膚感覚にも影響を与える。

※ 布オムツ――濡れたらすぐ濡れたとわかるので、赤ん坊は身体感覚を得ることができる。括約筋が弛緩すると尿が出て濡れることが分かる。筋肉が弛緩して濡れて気持ちが悪くなる。これは、生まれてすぐ学ぶことのできる感覚である。

体の生理現象である――濡れると「いやだ」を結び付けていかなければなりません。

・オムツが濡れる → 大人が乾いたオムツに替える
・濡れたのが気持ち悪い → 乾いたのは気持ちがいい

乾いた状態がノーマルな状態です。「濡れた → 乾いた」をパターン化して24時間訓練することが必要です。つまり、24時間の生活の中で御飯を食べたらトイレに行く。その機会機会をとらえて排泄の習慣を身につけることが大切です。

3. 文化的側面 について

排泄については、「トイレ」という特別な部屋があります。

環境にいる両親・仲間が、ある時点でトイレに向かう。トイレに行くということは、排泄する時は特別な部屋に行くのだと結びつけることです。オマルをそこにしか置かず、正しい場所でするのだということを理解させます。(台所・寝室ではいけない。)

第二段階

定期的に時間を決めてトイレに連れて行く、という作業が必要になります。

・ 寝る前
・ 起きてから
・ 食事の前

 トイレをしたからといって誉めすぎない。排泄というのは正常な人間の機能であるから、誰しもがする行為です。大騒ぎをすると特別なことだという認識を持ってしまい、失敗をしたときに逆のアクションになってしまいます。

 つまり、排泄は普通のことだと思わせることが大切です。アクシデントも通常の範囲内です。

「バイバイ」は、自分の一部が消えていっている、というイメージになるのでよくありません。では、子どもにどういう風に語りかけたらよいでしょう?答は簡単。何も言わない、または、「ありがとう」です。

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