モンテッソーリ世界大会「Dr.Vandana Shiva」の講演より

Dr.Vandana Shiva…パリで生まれ。科学・哲学はカナダで学ぶ。モンタリオ難民となり博士号とる。現在はインド在住。物理学者であり環境活動家。インド農民の権利擁護に関わり、生物多様性の大切さを多くの著書や講演を通して世界中に伝えている。
(長いので短縮させていただきます)

私は、ヒマラヤで森林を保護していた父と、教育の監査をしていた母に色々なことを学びました。その一つは、自然を愛する心です。それは、何百年も人類は間違っていたんだなということです。

何かするときに、他には影響がない、関係がないといった機械的な見方を100年も続けていたのです。それが主体になり、私たちの教育も成り立ってしまっています。生きるもの、子供でも、外側から変えていくのです。私が自然から学んだものは、全てはみんな連結されており、連帯があるということです。

40年前、森林がなくなり、川がなくなったことがあった。原因は木の伐採です。木は山を保護している。木を切ると、山が崩れる。そうやって川が洪水になってしまう。森林は薪の材料ではないということです。それから学んだことは、森林は保護しなければならないということです。研究してみれば、たくさんのお金がかかる作業が、全て自然によって作られているということだったのです。

農業をする人の話ですが、種を保護することはどの国でも、自然に従っていかなければいけません。農業は命を繰り返していって、健康な肥料を作らなければなりません。なのに、今は有害な食料があります。

一つだけでも有害遺伝子を種の中に入れれば、それで自分が種の創生者となれ、特許が取れる。それが全てに影響してくる。95%のアメリカのトウモロコシは一部の企業に所有されています。インド木綿産業協会もモンサントが所有しています。

この20年の間、遺伝子組み換えによって蜂などの花粉交換をする虫が減った。蝶は花粉を食べて死んでいる。

土壌の研究をしているが、4年間で遺伝子組み換えの農地の20%が砂漠化している。

有害な食べ物や除草剤によって、細菌が増え、家畜の胎児を殺したり、蜂や蝶が減少する。そして、自然を破壊するだけではなく、人間にも有害なのです。

種の独占で、日照りにも耐える我慢強い農民が、自殺するようになったのです。なぜなら、種の使用料が一年に4回も上がり、8,000倍に上昇したのです。種の独占により、インドの農民の自殺者は2万8千人にものぼるようになりました。

自然から学んだこと――

  1. これからの問題は、子ども達に、食料は神聖なんだと気づいてもらうこと。
  2. 一番正しい行動は、栽培すること。よい食べ物を提供すること。悪いことは、商業的農業で、悪い食べ物を出していくこと。
  3. 自然には無駄がない。全て何でも皆丸ごと、どこかに役立っていく。
  4. 自然は繰り返し新たになる。
  5. 自然は水をリサイクルしてくれる。

自然の創造性は戦争を生み出しません。さっき、エドワード(AMI教師養成トレーナー)が言っていましたが、子どもは敵になる前にまず友達になろうとする本能があります。それと同じで,地球の民主化、連携のある自由。サンスクリット語ではこんな言葉があります。“人類みな家族”という言葉です。人類だけではなく全ての生き物も、家族の一員のなのです。

多様性は豊かさです。多様性があるから、家族を認めること。モンテッソーリ博士から沢山学ぶことが多いです。

母なる地球という概念ですが、子ども達が一番積極的にしてくれる。なぜなら、地球が母だということを知っているから。生きた地球というビジョンをもっと育てていきたい。

皆さんに、特に教育者の皆さんに希望を。地球のため、子どものためにも希望を。

将来の希望を失っている人がたくさんいる。どんな子どもでも、一人一人が希望を持ってもらうことが私達の責任です。それは子ども達自身が、種の不思議で一つになること。

希望の庭からでも,小さな種が来年はもっと沢山のものをもたらしてくれること。自然は尽きない。だから、希望を子ども達が学ぶこと。

一緒に自然を作り出し、そして気づくこと。子ども達がもらうだけでなく、自分からあげる人になること。そういう小さなことで、草木を育てること。農園で作業して研究する。

教育を小さい子ども達に導いてもらうのです。子ども達について行きましょう。