睡眠の重要性 レム睡眠とノンレム睡眠の違い

『睡眠と子どもの発達』というテーマで白川 嘉継先生(福岡新水巻病院 周産期センター長)の研究会がありました。

子育てをするうえで大切なことだと思ったので、その部分だけの抜粋ですが、お知らせ致します。

レム睡眠とノンレム睡眠の違い

レム睡眠の働きノンレム睡眠の働き
交感神経優位副交感優位
覚醒時と同じように大脳皮質が活性化し、現実のような夢を見る抽象的でつじつまの合わない夢を見る
いつどこで何をしたかのエピソード記憶が固定される体で覚える意識せずに覚えられる記憶が固定される
情緒の安定化嫌な記憶を消去する
成長ホルモンの分泌

<睡眠と夢の重要性>

新生児の睡眠時間は16時間。そのうち半分はREM睡眠。

成人の睡眠時間は8時間で、そのうち1時間30分から2時間がREM睡眠。

小学校入学までは11時間の睡眠が必要。20時入眠、7時覚醒が基本。

<乳幼児期における睡眠障害>

乳幼児期の睡眠異常に伴う睡眠欠乏は、何となくおとなしい、逆にかんしゃく、パニックが激しい、言葉の発達が遅れるなど影響が現れる。

発達が著しく抑制されることがあり重症では特に運動発達やコミュニケーションに問題が現れ注意欠如多動症、自閉スペクトラム症、学習症などの発達症のような症状が見られる。

実際に発達症の診断名がついていることがある。

次のような状態が見られるときは睡眠の問題を疑う。

  • 1歳6か月を過ぎても、夜間睡眠中3回以上、目を覚ます
  • 一度目を覚ますと1時間ほども起きている
  • トータルの睡眠時間が9時間より短い
  • 日中不機嫌

<乳幼児の睡眠を調整するためには?>

  • 朝の光を浴びる
  • 照明:暖色系の間接照明(LEDは避ける)
  • ブルーライト制限:スマホ、ゲーム、テレビの制限
  • 朝食摂食:トリプトファンからセロトニン、メラトニンの代謝
  • 入眠儀式 入浴から消灯まで30分以内の適切な入浴、マッサージ、抱きしめるなどの静かな介入を2週間以上継続
  • 就寝時の読み聞かせ:『おやすみロジャー』
  • ゆっくり、ゆっくりなど力を抜く言葉かけを繰り返す
  • 子守歌:子守歌、波の音、柔らかい音質の波の音

<寝つきをよくするには>

  • 夜間の強い光を避け、部屋を暗くする。テレビやパソコン、携帯電話の利用をなるべく控える。メラトニン生産を抑える青色の光(波長460~470nm)を多く含むので避ける。
  • 朝の光を浴びることにより体内時計をリセットする。
  • 眠るためには体の内部の深部体温を下げる。入眠2~3時間前はジョキングなどの運動や夕食を避ける。

最後に、白川先生は、「眠りが脳を作る。」と言われました。どうぞ、御一考下さい。